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モディノミクス(インド)【キーワード】

2014年9月4日

<今日のキーワード>
インドで2014年5月に発足したモディ政権が掲げる経済政策は、「モディノミクス」と呼ばれています。「モディノミクス」は、モディ首相がグジャラート州首相在任中に実績を上げた外資誘致などを土台とする一連の経済政策です。5月の総選挙で与党が単独政権となったことからも、高成長に向けた政策の実現期待が高まり、世界から注目されています。

【ポイント1】製造業の発展を目指す

インフラ整備、外資規制緩和、行政改革などによる投資促進策が柱
■「モディノミクス」は、投資の促進などにより製造業を発展させることを大きな目標として掲げています。道路、鉄道、電力などのインフラ整備、保険、防衛産業、鉄道インフラ分野などでの外資規制の緩和、行政の簡素化などを主な政策とし、国内外の資金による投資促進を目指しています。その他に、都市の現代化や農業インフラの整備による農業の発展などにより、経済全体での発展を図る見込みです。

【ポイント2】グジャラート州での成功がモデル

インド準備銀行による改革も並行
■インドの2013年度(2013年4月~2014年3月)のGDP成長率は前年度比+4.7%と、過去10年平均の年率約+8%と比べ低成長でした。グジャラート州の過去10年平均の成長率は、製造業の発展を主な要因として同約+10%と高成長でした。

■インドの製造業は、投資規制や行政面の複雑さなどにより外資誘致が伸び悩んだことなどから、近年低迷しています。これに対し「モディノミクス」では、グジャラート州での成功の波及をねらっています。

■また、物価上昇率の高さは、企業の資金調達コストを高めることなどから、投資活動のマイナス要因となる傾向が見られました。インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁は、物価の安定や金融セクター改革への取り組みを強化しており、金融面からも投資環境の改善が見込まれます。

【今後の展開】政策実現による好循環に期待、課題は地方政府での取り組み

■製造業の中長期的な発展が見込まれる
製造業での高成長実現により、海外からの投資が拡大する好循環が期待できそうです。課題は、地方政府の取り組みが順調に進み「モディノミクス」が広く浸透するかどうかと思われます。

■日本企業にとってもチャンス拡大
モディ首相は8月末から9月初旬に訪日しました。首脳会談では、日本から、官民で5年間に3.5兆円の対印融資目標や、直接投資と企業の進出数を倍増させることなどで合意がなされました。インフラ、製造業、金融など様々な分野で、日本企業にとってもチャンスが拡大しそうです。

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