ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,302】ADBの「アジア経済見通し2014年版」(アジア)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,302】ADBの「アジア経済見通し2014年版」(アジア)

2014年4月4日

1.ADBとは?

 Asian Development Bank の略で、アジア開発銀行のことです。アジア・太平洋地域を貧困から開放し、その生活向上に貢献することを目的として1966年に設立されました。設立当初31カ国・地域だった加盟国は、現在67カ国・地域(うち48カ国・地域がアジア・太平洋地域)です。最大出資国は日本と米国です。アジア開発銀行の総裁は2013年4月より中尾武彦氏(前財務省財務官)が就任しています。

2.最近の動向

 ADBは1日、日本などの域内先進国を除いたアジア・太平洋の45カ国・地域(以下45カ国)を対象とした「アジア経済見通し2014年版」を発表しました。45カ国の実質GDP成長率は、2014年が前年比+6.2%、2015年は同+6.4%となる見通しです。
 国別ではASEAN諸国やインド主導での成長率の加速が予測されています。一方、中国は減速が予測されています。同様に主要先進国についての成長率見通しも発表されました。米国、ユーロ圏の成長率は2014年、2015年と加速見込みです。日本の成長率は2014年に減速し、2015年は2014年と同水準が見込まれています。アジア・太平洋地域は主要先進国と比べて高い成長率が予測されています。

3.今後の展開

 2013年の45カ国の成長率は、域内で経済規模が大きい中国、インドの内需が伸び悩んだものの外需が下支えし、2012年と同水準となる前年比+6.1%成長となりました。中国は高成長の原動力としてきた輸出と投資に依存した成長から、消費主導のバランスの取れた持続的な成長を目指しています。ADBは中国の成長率予測を2014年が同+7.5%、2015年が同+7.4%と構造調整を背景に減速を見込んでいます。インドはインフラ整備などにより投資の阻害要因が解消されていくことで2014年度が同+5.5%、2015年度が同+6.0%と成長率の加速が予測されています。主要先進国の成長率は2014年、2015年と加速が見込まれており、アジア各国から見た外需は緩やかな回復が見込まれます。
 中国やインド、ASEANなどのアジア新興国では今後とも人口増加が予想され、同地域での強い消費、高い成長が見込まれます。海外企業から世界の一大消費地としても注目されており、今後ともアジア・太平洋地域の経済成長力に注目が集まりそうです。

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