『ロビンフッド』にみる米個人投資家の台頭

2021年2月19日

<今日のキーワード>

米株式市場では、コロナワクチンの普及や追加経済対策への期待感などから主要3指数がともに過去最高値を更新するなか、『ロビンフッド』などのスマートフォン証券を利用した個人投資家の存在感が高まっています。取引手数料の無料化に加え、新型コロナウイルス感染拡大による「巣ごもり」で、『ロビンフッド』の個人投資家は急拡大し、今年に入り、ヘッジファンドの空売り事業を撤退させるほどの影響力を示しました。

【ポイント1】巣ごもりで『ロビンフッド』の利用者が急拡大

■手軽に株を売買できる金融サービスの普及で、米国の個人投資家の裾野が拡大しています。スマートフォンの株取引アプリを提供する『ロビンフッド』は、取引手数料ゼロとアプリの使いやすさで、利用者を爆発的に増やしました。新型コロナウイルスのまん延による「巣ごもり」で新たに取引を始める人が増え、『ロビンフッド』の口座数は2020年に1,300万を超え、個人の短期売買も大幅に増加しました。

【ポイント2】市場への影響を高める個人

■米株式市場では、『ロビンフッド』などを利用する個人投資家の投機的な売買が市場に大きな影響を与え始めています。個人がSNS掲示板で情報を交換し、ヘッジファンドの空売り銘柄に対して一斉に買いを仕掛ける現象が起きました。


■1月下旬、ゲームストップ株など一部の銘柄で空売り勢は損失覚悟の買い戻しを迫られ、株価が急騰しました。これを受け、損失を被ったヘッジファンドが持ち高を圧縮し、損失補填のため主力株に換金売りを出すとの思惑が強まり、米国株全般が売られたほか、それに伴い世界の株式相場が広く下落しました。

【今後の展開】個人の株式投資拡大と規制強化の可能性

■ゲームストップ株の急騰を受けて、ヘッジファンドのシトロン・リサーチは、長年続けてきた空売り対象の調査を中止すると発表しました。個人がSNSで連携してヘッジファンドを打ち負かした事実は、投資家の力関係の変化を示しています。


■米家計における金融資産の増減をみると、昨年コロナ禍で米政府が行った家計向け現金給付が預金として貯蓄されており、金余りによる個人の株式投資はさらに拡大する可能性があります。ただし、個人の投機的な取引を放置すると市場全体の混乱の引き金になりかねないため、今後規制が強化される可能性があります。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

関連マーケットレポート