運用者の視点:中国と『2032年の夏季オリンピック』

2020年12月17日

<今日のキーワード>
「マーケット・キーワード」では、弊社のアジア株式運用者が運用業務を通して気付いたり、感じたことを“運用者の視点”として定期的にお届けしています。急速かつダイナミックに変革が進む、中国・アジア地域の経済やマーケットの“今”を、独自の視点でお伝えできれば幸いです。今回のテーマは、中国をはじめアジアの各国が誘致に名乗りをあげている、『2032年の夏季オリンピック』の開催地についてです。

【ポイント1】新型コロナウイルスで延期となった東京オリンピック

■2021年の夏に東京オリンピック・パラリンピックを無事開催することができるのか、世界中のオリンピック関係者の関心が集中しています。日本の世論調査では中止か再延期の声が一番多く、一方で、プロ野球などは座席間のスペースを確保しつつ観客を入れ、日本シリーズまで開催しています。オリンピックは柔道やレスリングなどアスリート同士が密着する、新型コロナの感染リスクが高い競技があることや、大量の観光客や選手団が来日することを考慮しても、他のスポーツイベントに比べて開催へのハードルを高く設定し過ぎているのかもしれません。各国でワクチンの承認が始まっていますが、有識者や関係者の間では、2032年に再チャレンジすべし、との声も出ていると聞きます。

【ポイント2】アジア開催を目指したい『2032年の夏季オリンピック』

■さて、その『2032年の夏季オリンピック』ですが、中国から、四川省成都市と重慶市(いずれも中国内陸部の中核都市)で共催を目指すというアイデアが伝わってきました。2024年がパリ、2028年がロサンゼルスに決定しています。アジア以外の大陸が続くため2032年のアジア開催は特段問題は無いように思えます。仮に両市の共催が決まれば、2008年の北京(夏季)、2022年の北京(冬季)に続き、中国では3回目の開催となります。

■2032年は、インドネシアやインドなど、アジアの大国が誘致に前向きな姿勢を示しており、韓国が北朝鮮との共催を狙っているという観測もあります。11月には、来日したIOCのバッハ会長が、同じく来日していたオーストラリアのモリソン首相と東京で会談し、ブリスベンへの誘致について意見交換した模様です。

■いずれにしても、『2032年の夏季オリンピック』開催都市は、2025年のIOC(国際オリンピック委員会)総会で決定する見込みです。

【今後の展開】中国の外交問題 

■視点を外交に転じると、中国は今後、米国との対立が長期戦になることを覚悟しています。なるべく多くの国を味方につけておきたいものですが、今の中国はオーストラリアを筆頭に周辺国に厳しい態度を取っているように見えます。せめてオリンピックの誘致で恩を売れば、少しでも味方が増えるのではないかと思うのですが、事はそう単純ではないようです。

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