ウィズコロナ時代の『SDGs』と投資を考える(3)

2020年6月11日

<今日のキーワード>
新型コロナウイルスの感染拡大は、日本や世界に大きな影響を及ぼしました。単に経済が一時的に落ち込むことに留まらず、人々の価値観や行動が変わり、社会や経済が新常態に移行する可能性が高いと考えます。マーケット・キーワードでは、新型コロナが人々や社会に与える影響、企業や経済の変化、それがもたらす投資の変化について、シリーズとして取り上げてきました。最終回のテーマは、「新型コロナがもたらす投資の変化」です。

【ポイント1】『SDGs』達成に貢献するインパクト投資

■ここまで見てきたように、新型コロナの世界的な感染拡大は人々の価値観、社会の風潮、企業経営や経済環境に大きな影響を及ぼしてきました。『SDGs』(持続可能な開発目標=Sustainable Development Goals)やその達成プロセスとなるESG(環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance))が従来以上に強く意識される中、インパクト投資が注目されつつあります。

■インパクト投資とは、社会的事業を行う企業、組織、ファンドへ投資することによって、財務的なリターンと並行して社会的成果を同時に生み出すことを意図した投資です。社会的成果としては、ポジティブで測定可能な社会的および環境的インパクトが求められます。

■インパクト投資は欧米を中心にこの10年余りで発展してきましたが、日本においてもESG投資の拡大、自然災害の増加、社会構造の変化を背景に市場が拡大しています。その投資先は、質の高い教育、健康・医療、再生可能エネルギー、食糧の安全確保など主要な社会的課題を中心に多岐にわたっています。

【ポイント2】インパクト投資の市場規模は年々増加

■インパクト投資のグローバルネットワークであるGIIN(Global Impact Investing Network)によると、2018年に新たに投資されたインパクト投資額は331億ドルで、同年度末の世界のインパクト投資残高は2,390億ドルとなっています。

■一方、GSG(The Global Steering Group for Impact Investment)国内諮問委員会が行っているアンケート調査によると、2019年度の日本のインパクト投資残高(推計)は4,480億円となっており、前年から1,000億円を超える増加となっています。

【今後の展開】新常態に移行する中、インパクト投資が有効な選択肢に

■新型コロナによる様々な影響に伴い、世界経済は、低成長・低インフレ・低金利が継続する新常態への移行が予想されています。そのような中、足元では株式や商品などリスク資産が堅調に推移していますが、資金の過度な集中はリスクを増加させることにもつながります。

■今後は、社会が大きく変化し先行きの不透明感が強まることから、中長期的な視点に立ち、人々・社会が必要と考えるインパクト投資が有効な選択肢の一つになると考えます。

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