農産物の安全認証『GAP』取得が本格化

2020年2月6日

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2020年の東京オリンピック・パラリンピックで使う食材で『GAP』認証が条件とされたことで、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる『GAP』の取得をめざす農家が増加しています。また安全や環境を重視する消費者ニーズも高まっており、食品大手や小売りなどは農家の認証取得などの支援サポートや、認証取得農家や直営農場などを通じて安全認証された農産品の調達を本格化させています。

【ポイント1】『GAP』を取得する農家の動きが広がる

■『GAP』とは農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取り組みを言います。食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる『GAP』認証制度には、世界基準である「グローバルGAP」のほか、日本GAP協会が展開する「JGAP」、「ASIAGAP」などがあります。

■東京オリンピック・パラリンピックの選手村食堂の食材に『GAP』認証が求められたことを契機に取得する農家の動きが広がっています。また環境や安全を重視する消費者のニーズも高まっており、食品大手や小売りなど企業は農家の認証取得などの支援や安全認証された農産物の調達を本格化させています。

【ポイント2】企業は『GAP』認証農産物の調達を拡大

■伊藤園は、これまで以上に安心・安全に配慮した製品の提供を目指して、2020年度に、主力製品である「お~いお茶 緑茶」の原料茶葉のすべてを、『GAP』認証取得農園で生産された茶葉にする計画です。これに向け同社は茶農家に対して大規模な茶園を造成することをサポートするとともに、茶葉生産に関する技術・ノウハウを提供し、対象の全農園で『GAP』の取得を目指します。

■イオンは、「グローバルGAP」認証を取得した農場でつくられた農産物であることを示すラベルを商品に付けることにより、承認された農産物を店頭で簡単に選べる取り組みを行っています。また直営農場全てで「グローバルGAP」認証を取得しています。

【今後の展開】『GAP』取得や企業の認証農産品の調達拡大は加速

■『GAP』取得は「JGAP」と「ASIAGAP」の審査員数が少なく、コスト面などのハードルも高いなど課題があり、取得農家はまだわずかな割合にとどまります。ただ安全や環境を重視する消費者ニーズは強く、取得は農家の農作物の競争強化につながることや、農林水産省が東京オリンピック・パラリンピック競技大会に『GAP』認証取得農産物等の十分な出荷量確保などを目標に取得を推進していることなどから、本格化し始めた農家の『GAP』取得と企業の安全認証された農産品の調達拡大の動きは加速していくとみられます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

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