世界銀行が『ESG』データを公開

2019年11月15日

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世界銀行は10月29日、環境や社会への貢献を重視する、『ESG』(環境・社会・企業統治)投資のための国・地域別のデータベースを公開しました。同データベースはインターネット上で、誰でもアクセスできるようになっており、世界の投資家から新興国や途上国への投資を促進させる狙いがあります。投資家の需要の高まりを背景に、株式だけでなく債券での『ESG』投資が今後拡大する可能性があります。

【ポイント1】世界銀行が『ESG』投資のデータベースを公開

投資家の新興国への投資拡大が狙い

■世界銀行は10月29日、『ESG』投資のための国・地域別のデータベースを公開しました。このデータベースには、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の17目標がすべて含まれており、世界銀行の加盟国の『ESG』に関するデータが、17分類67指標に基づき提供されています。また、経済指標や環境汚染だけでなく、国全体の公平性や政府活動の透明性など、比較しづらい概念も数値化されています。

■同データベースはインターネット上で、誰でもアクセスできるようになっています。『ESG』投資に取り組む投資家の分析を支援し、透明性の高いツールとして積極的に利用されることで、新興国や途上国への投資が拡大することを目的としています。

【ポイント2】GPIFはデータ活用の方針

債券でも『ESG』投資を開始

■日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、同データベースを投資判断に活用する方針です。GPIFの水野最高投資責任者は「『ESG』データの質や範囲、透明性、適時性が高まる」と高く評価しています。

■GPIFは2017年から、持続可能な投資を促進するために世界銀行と連携し、債券の『ESG』投資の共同研究を進めてきました。今年4月には、これまで株式中心だった『ESG』投資を債券でも本格的に始めたと発表しています。世界銀行グループの環境に配慮した事業に資金使途を限る「グリーンボンド(環境債)」などに投資しました。

【今後の展開】債券の『ESG』投資が拡大

■従来、債券の『ESG』投資については、新興国を中心にデータが不足していることや、女性の活躍や従業員の健康、人権問題など、特に「社会」に属する項目を中心に統一の評価がないことなどが普及の妨げになっていました。しかし、世界銀行が『ESG』データを公表したことにより、グリーンボンドなどの発行を通じて債券の『ESG』投資が拡大し、持続的な成長に積極的に取り組む新興国へ投資資金が流れやすくなることが期待されます。

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