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『参議院選挙』、与党勝利も改憲議席には届かず

2019年7月23日

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『参議院選挙』は21日投開票され、与党(自民党、公明党)が71議席を獲得し、改選過半数の63議席を上回りました。与党勝利で、安倍首相は引き続き安定した政権基盤の下で、政権を運営することになります。一方、与党に日本維新の会を合わせた改憲に前向きな勢力は、憲法改正の国会発議に必要な参院の3分の2に達する、85議席には届きませんでした。この結果は株式市場の安心材料とみられます。

【ポイント1】与党が改選過半数で勝利

■21日投開票された第25回『参議院選挙』で、自民党は57議席、公明党は14議席と、与党が71議席を獲得し、124の改選議席の過半数である63議席を上回りました。自民党の二階幹事長らが設定した目標の「与党で改選過半数」を達成したことから、安倍政権は求心力を維持するとみられます。

■野党側は、立憲民主党が17議席を獲得し改選前の9議席から大きく議席を伸ばしました。また、日本維新の会は10議席と改選前の7議席を上回り、東京と神奈川で初めて議席を獲得しました。一方、国民民主党は6議席、共産党は7議席と議席を減らし、社民党は1議席と伸び悩みました。

【ポイント2】改憲勢力は3分の2に届かず

■『参議院選挙』の主な争点は、消費増税、年金制度、憲法改正でした。野党は、政府が10月に予定する消費増税への反対で足並みをそろえました。また、老後資産に2,000万円が必要とした金融庁審議会の報告書に絡み、年金への不安を指摘し、見直しを求めましたが、大きな支持を得られませんでした。

■一方、安倍首相の悲願である憲法改正の国会発議に必要な参院の3分の2を得るために、憲法改正に前向きな勢力で85議席を獲得できるかどうかも注目されました。与党と日本維新の会を合わせた議席数は81議席にとどまり、85議席に届きませんでした。

【今後の展開】安倍政権の安定は株式市場の安心材料

■今回の『参議院選挙』で安倍首相は国政選挙での6連勝を果たしました。安倍政権は求心力を維持すると共に、政権への信任を得たとして、今後消費増税や憲法改正論議などに取り組むとみられます。

■『参議院選挙』の結果は概ね事前の予想通りであり、22日の株式市場は小動きとなりました。ただ、与党が勝利する一方、改憲勢力が3分の2に届かなかったという結果は、アベノミクスが継続すると共に、改憲の国会発議のハードルが高まったことで強引な改憲論議が進展せず、政権が安定しやすいという観点で、株式市場にとっては安心材料と考えられます。

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