高齢化社会における『資産形成』

2019年6月10日

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金融庁は6月3日、人生100年時代を見据えた『資産形成』を促す報告書をまとめました。長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示しました。公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性に触れ、「つみたてNISA」と「iDeCo」などを活用した長期・積立・分散型の資産運用の重要性を強調しました。

【ポイント1】金融庁は人生100年時代の『資産形成』を促す報告書を公表

長期・積立・分散型の資産運用の重要性を強調

■金融庁は6月3日に人生100年時代を見据えた『資産形成』を促す報告書をまとめました。長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、毎月の不足額が約5万円発生する場合には、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示しました。

■公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性に触れ、報告書では早い時期から生涯の老後のライフ・マネープランを検討する必要性や長期・積立・分散型の資産運用の重要性を強調しました。

【ポイント2】「つみたてNISA」と「iDeCo」

税制優遇、補完関係

■長期・積立・分散投資により、長期に亘る『資産形成』を支援する制度として、我が国には税制面で一定の優遇が行われている「つみたてNISA」と「iDeCo」 があるとしました。

■ライフイベントに応じて引出すことが可能な「つみたてNISA」 と、年金制度として所得控除が認められている「iDeCo」 の両者を併用することで、住宅購入などの計画的に準備が必要な支出や、病気、事故、失業などの予想外の支出への備えをしつつ、老後に向けた『資産形成』が可能となります。よって、お互いが補完しあう関係として活用が進むことが望ましいとしています。

【今後の展開】長期・積立・分散型の資産運用による金融資産の増加が望まれる

■米国では75歳以上の高齢世帯の金融資産はここ20年ほどで3倍ほどに伸びている一方、わが国の同年代の高齢世帯の金融資産はほぼ横ばいで推移しており、対照的な動きとなっています。米国では、金融市場の好調さに加え、「401kプラン」等の制度的な後押しもあり、現役期から『資産形成』を行うことによって、高齢世帯の資産が増加していったと推察されています。人生100年時代を見据え、我が国でも早い時期から「つみたてNISA」と「iDeCo」 を活用した長期・積立・分散型の資産運用による金融資産の増加が望まれます。

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