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大阪での『万博』開催が決定、その経済効果は?【キーワード】

2018年12月5日

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先月、2025年の国際博覧会(『万博』)の開催地が大阪府に決定しました。大阪府では、1970年にも「大阪万博」が開催されており、実に55年ぶりとなる大規模な『万博』開催の予定です。日本での『万博』開催は、2005年に愛知県で開催された「愛・地球博」以来、20年ぶりのこととなります。『万博』の誘致により、多くの来場者とともに、経済効果の波及が期待されています。

【ポイント1】2025年5月~11月の開催で約3,000万人の来場を見込む

多くの宿泊者に備えて、ホテルの新設や空家等の民泊への活用などを検討

■メイン会場は人工島の夢洲で、開催期間は2025年5月3日~11月3日の185日間、入場者数は2,800万人~3,000万人が想定されています。開催期間中のピーク時には、1日あたり約107,000人の宿泊が見込まれています。大阪府及び近隣府県の宿泊施設の収容能力は約117,000人と見られていることから、現状でも対応可能ですが、今後もホテルの新設や、空家等の民泊への活用、会場近くに停泊する船舶を宿泊施設として活用することなどが検討されています。

【ポイント2】消費支出の経済波及効果は約1.1兆円と試算

建設費や運営費などを合わせた全体では約1.9兆円

■経済産業省の試算によると、入場者数を3,000万人と想定した場合、主催者・出展者等による会場整備の建設費は約0.2兆円、主催者による会場管理費や出展企業の出展費用等の運営費は約0.2兆円と見られています。また、これらの全国への経済波及効果は、それぞれ約0.4兆円と、約2倍になる見込みです。

■さらに、来場者等による交通・宿泊・飲食・買い物・サービス等への消費支出は約0.7兆円で、その全国への経済波及効果は約1.1兆円と試算されています。

【今後の展開】大阪府は『万博』の開催決定に次いでIRの誘致なるのかに注目

■2025年の『万博』では、環境への配慮が1つのポイントとなっています。燃料電池や蓄電池などを活用したエネルギーのスマート化や、自動運転車や燃料電池バスなどでの移動などが検討されています。そして『万博』後には、「夢洲街づくり構想(案)」に基づいて、日本観光の要となる独創性に富む国際的エンターテイメント拠点の形成や、展示場や会議場となるコンベンションセンターなどを中心にして新しいビジネスに繋がる技術やノウハウを国内外に発信することなどが検討されています。

■また大阪府は、同じく夢洲において、万博会場の隣接地に統合型リゾート(IR)の開業誘致を目指しています。IRは当初全国で3カ所を上限に、2020年代前半の開業が見込まれており、こちらの行方も注目されます。大阪府でのIR誘致が決定した場合には、開業後に開催される『万博』との相乗効果が期待されます。

 

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