デジタルで変わるインフラの概念
~デジタルはもう生活必需品のインフラに~

2022年5月20日

1.デジタル技術と半導体は身近で、大切なインフラ

2.インフラって何?

3.これからのインフラはデジタルインフラが主役

 


1.デジタル技術と半導体は身近で、大切なインフラ

■私の平日です。朝、スマートフォンのタイマーで目を覚ましてから就寝するまで、私は様々なデジタルサービスを活用しています。こうした何気ない生活で利用しているデジタルサービスは、急速に浸透するデジタル技術と半導体(デジタルインフラストラクチャー)によって支えられています。


■私の日常におけるデジタル化の波は、自動車を筆頭に、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、照明器具、システムキッチン、温水暖房便座、フィットネスバイクなど、家庭用品全般に及んでいます。電気器具の機能はインターネットで制御されるものが多くなりました。また、器具そのものを動かすためには半導体が必要です。半導体は、通勤に使うICカード乗車券、会社ビルに出入りする時に使う入館証、銀行のキャッシュカード、病院の診察券などにも使われています。電動自転車のモーター駆動も半導体が制御しています。


■私たちが快適に生活するための基盤を安定して支えてくれるデジタル技術と半導体。これらは、電気・ガス・水道と同じように私たちにとって身近で、大切なインフラです。

2.インフラって何?

生活に不可欠なサービスを提供する基盤

■インフラ(インフラストラクチャー)とはなんでしょうか。インフラは、経済や社会が機能し、私たちが生活するために必要不可欠なサービスを支える基盤のことです。インフラと言えば、電気、ガス、上下水道、高速道路、空港、鉄道、病院などを挙げることができます。


■最近は、持続可能な環境を作り上げるために、再生可能エネルギーやごみ処理施設が注目されています。また、急速なデジタル化の流れを受けて、インターネット用のサーバやデータ通信などの装置を設置して運用することを目的としたデータセンターの役割も増しています。データセンターはデジタルインフラです。

  


インフラに共通する特徴

■こうしたインフラには幾つかの共通する特徴があります。


■最も大きな特徴は、社会的・経済的な基盤を支える極めて重要な責務を担っている点です。現在は、環境により配慮した運営が強く求められています。社会的責任を担う点はデジタルインフラも同様です。


■次に共通している特徴は、長期性の資産であり、景気の良し悪しに拘わらず安定した需要を見込める点です。そのため、将来のキャッシュフローが予測しやすいと言われています。また、インフラの利用料は物価上昇に沿って変動することも多く、物価が上昇する局面でも一定の収益性が確保される可能性があります。さらに、他資産の価格変動との相関が低いといった特徴も指摘されています。

3.これからのインフラはデジタルインフラが主役

    


さらなる普及が予想されるインターネット

■電力、ガス、水道といったサービスは私たちの日常生活を支える重要なインフラです。デジタルなサービスもそれと同様、私たちの日常生活を支える重要なインフラとなっている他、暮らしをより便利にしてくれています。


■それに伴い、デジタルインフラは急速に拡大しています。例えば、インターネットの全世界の利用者数は2020年に47億人、普及率は60%に達しています。2030年には70億人、普及率は80%に達するとの見通しもあり、世界共通のデジタルインフラと言えます。


■また、クラウドは、インターネットを通じて必要な時に必要な分だけサービスを利用するという考え方をベースにしたデジタルインフラです。テレワークをする際に、私たちがアクセスする情報やデータは会社が用意したクラウド上にあります。クラウドは着実に浸透してきています。例えば、アマゾンが提供するクラウドサービス(AWS)の売上高に占めるウエイトは着実に増加する方向にあります。

  


新分野も既存領域も活性化させるデジタルインフラに注目

■デジタルインフラは、既存のインフラも、より便利で効率的なものとする役割があります。例えば、電力会社が導入するスマートメーターが挙げられます。スマートメーターは、電気の使用量をデジタルで計測する通信機能を備えた電力メーターです。電力会社にとっては経費削減となる一方、利用者にとっては電気の使用量が「見える化」され、節電など消費エネルギーの管理を効率化できます。経済産業省は2024年度までに日本全国の電力メーターをスマートメーターに変更する計画を進めています。


■こうして見てくると、デジタルインフラは、それ自体で新しいサービスを提供してくれますが、それに加えて既存インフラの活用度を高める役割も期待できます。さらなる技術の進歩がもたらす新分野の開拓にとどまらないデジタルインフラの活用により、デジタル産業の展開は無限と考えることができます。すでに私たちにとって生活必需品となっているデジタルインフラですが、これからも新たな飛躍を遂げていくと期待されます。インフラの主役はデジタルインフラと言えそうです。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

関連マーケットレポート