ホームマーケットアジアリサーチセンターアジア・オセアニア豆知識「人気が高まる中国茅台酒(マオタイ酒)の高級ブランド」

⼈気が⾼まる中国茅台酒(マオタイ酒)の⾼級ブランド【アジア・オセアニア豆知識】

2018年9月19日

茅台酒(マオタイ酒)は中国の祝いの宴席で乾杯に⽤いられ、国酒と⾔われています。⽩酒(パイチュー)の⼀つで、貴州省特産の⾼粱(コーリャン)を原料とするアルコール度数の⾼い蒸留酒です。1972年の⽇中国交正常化の宴席において中国最⾼級酒として振る舞われ⽇本でも知られるようになりました。中国消費者の所得⽔準の向上に伴い⾼級化が進んでいます。

値上げによる収益性向上で茅台酒メーカーの株価は上昇基調

茅台酒は中国で国賓を迎える際に⽤いられ、多くの⾼級品は政府機関により消費されていました。ところが、習近平国家主席による腐敗撲滅キャンペーンが実施される過程で、地⽅政府の多くが⾼級酒を過剰に購⼊していたことが明るみとなり、2013年に「贅沢禁⽌令」が出されると、茅台酒の販売は落ち込みました。その後、所得⽔準の向上した⼀般消費者向けの販売が着実に伸び、2017年の消費額(⾼価格品)は920億元(約1.6兆円*1)となっています(図表1)。茅台酒の中でも
味の良い⾼価格品の需要が伸び、⾼級ブランドメーカーが価格引上げに動く⼀⽅で、中低価格品を⽣産する中⼩業者が撤退し、酒造メーカーの集約化が進んでいます。⾼級ブランドの「貴州茅台酒」は、ラベル、容器、箱にも希少性があり、⼀部の陶器製の容器は⾻董品として扱われています。
茅台酒メーカー最⼤⼿の貴州茅台酒の2017年の売上は527億元(約9,107億円*1)、純利益は271億元(約4,682億円*1)、純利益率は51.4%と⾮常に⾼い収益性を誇っています。成⻑企業として株式市場での注⽬度も⾼く、株価は過去5年で約5倍に上昇しました(図表2)。8⽉末の株式時価総額は8,281億元(約13.4兆円*2)となっています。

                                                                                              *1  円換算の為替レートは2017年12月末現在(1元=17.294円)。  *2  円換算の為替レートは2018年8⽉末現在(1元=16.225円)。