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2026年2月19日

【セミナー開催レポート】東証改革徹底解剖シリーズ テスタ、エミン、運用のプロが解説!日本株は上がりすぎているのか!?~東証改革がもたらす変化~

2026年2月3日(火)に、東京証券取引所×ネット証券大手5社×三井住友DSアセットマネジメント共催でセミナーを開催しました。

シリーズ最終回である今回は、ゲストにテスタ氏、エミン・ユルマズ氏をお招きし、東京証券取引所・吉田貴弘氏と当社シニアファンドマネージャー・古賀直樹、金子将大が登壇。司会進行は国山ハセン氏にご担当いただきました。

※本記事はセミナーの一部を抜粋したものとなります。

 下記のアーカイブ動画もぜひご覧ください。

  https://youtu.be/Oc8B_Rxa5l0?si=UMiSXhEzcbMfEiLm

●出演者のご紹介

   国山ハセン氏、テスタ氏、エミン・ユルマズ氏 ポートフォリオ

   東証 吉田貴弘氏、三井住友DS 古賀直樹、金子将大ポートフォリオ

今回のセミナーでは、事前にセミナー参加者の皆さまに日本株に関するアンケートを取らせていただきました。タイトルにもある通り、日本株に対して投資家の皆さまがどう感じているのか?その結果を見ながら、今後の日本株の動向について、東証改革にも触れつつ、出演者全員で議論していきたいと思います。

Q1 日本株に投資をしていますか?

Q1 あなたは日本株に投資していますか?
Q1 あなたは日本株に投資していますか?②

●ハセン

94%の方が日本株に投資しています。それくらい皆さん、日本株にも関心があるということですね。 「はい」と答えた方の理由としては、日本企業を応援したい、情報を理解しやすい、成長期待、配当狙いなどの声がありました。「いいえ」の方は少数ですが、「これから投資する予定」「成長期待を持てない」といった意見もありました。これからどんどん投資していきたいという声も多くみられました。


Q2 日本株は割高だと思いますか?

●ハセン

Q2 日本株は割高だと思いますか?

まず、昨年(2025年)の株価動向も見てみたいと思います。グラフは、2024年12月末から2025年12月末の1年間の推移を示したものです。

TOPIXは、S&P500やオール・カントリー・ワールド・インデックス(いずれも円換算ベース)を上回るリターンとなりました。2026年に入ってからも大きく上昇する局面がありましたね。


●エミン

日本株の時代が来ていると思います。このグラフに表れている通りです。米国トランプ大統領就任からのパフォーマンスを見ると、G7の国々の中で実は一番パフォーマンスの良かったのが日本株で、次いで第2位がドイツ株です。

トランプ関税でより大きなダメージを受けると想定される国々の株価が上がっている。これは広い意味で、「脱アメリカ」が起きていて、米国から資金シフトが起きているからだと思います。

日本株市場は米国に次いで流動性が高く、市場規模も大きいので、資金が集まりやすいと考えています。これまでも日本株が米国株をアウトパフォームする局面はありましたが、ドル建てでみると下回っていました。ところが2025年はドル建てでも日本株が上回っています。そうなると、本当の意味での日本株の「新時代」がスタートしたのではないかと思っています。


●ハセン

一方で設問としては「日本株は割高だと思いますか」です。


●テスタ

割高かどうかは、何を基準にするかで変わると思います。配当利回りやバリュー株がどれだけあるかという観点で見ると、以前に比べ割高にも見えます。一方、平均PER(株価収益率)などは、その時代によって適正な水準が変わります。将来もっと利益水準が上がると考えられれば、平均PERが高くても許容されます。2024年、2025年と比べると平均PERが高くなっているのは事実ですが、水準として本当に高いのかどうかは、後にならないと分かりません。結局は後付けでしか判断できない部分もあると思います。

Q2 日本株は割高だと思いますか?②

●ハセン

セミナー参加者の皆様は、「割高ではない」と考えている方が66%、「割高だ」と考えている方が34%です。

日本株に投資している人は94%ですが、そのうちの34%は割高だと思っている、というのは結構高い比率にも見えますね。


●古賀

今はAI・半導体関連の株価が全体を押し上げている市場環境だと思いますが、日本には他の業種・業態にもたくさん良い会社があります。そういった会社はどちらかというと放置されている印象です。そのような銘柄に目を向ければ、割安と見えるかもしれません。逆に、市場全体を先導して株価が上がってきた銘柄を見ていると、割高に感じる人もいるのかなと思います。

●東証改革の概要

●ハセン

東証による改革は日本株上昇の一因として考えられています。各企業が株価を高めようという意識を高めていますね。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願い

●吉田

いわゆる「東証要請」という言葉があると思いますが、正式名称は、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願い」で、プライム市場とスタンダード市場の上場会社に対して出しているものです。

内容を一言で言うと、「資本コストを意識した経営をしてください」ということです。つまり、「株主からの期待に応えているかどうかを、改めて考えてほしい」ということです。

具体的なアクションは3つです。1つ目は、自社の現状分析を行うこと。自社の資本コストやバランスシートが効率的な状態になっているかを確認し、それに対する投資家からの評価を把握してください、ということ。2つ目は、その分析に基づいて改善計画を策定し、投資家に開示すること。3つ目は、投資家と積極的に対話を行うこと。これは、株主それぞれによって期待するリターンが違うため、対話を通して上場会社が投資家の期待やニーズを理解することが重要だからです。

これらのお願いに上場企業の皆さまが応えてくださっていて、経営に対する意識が変わってきたと考えています。プライム市場では、東証要請に対する改善計画の開示率が9割を超えています。ただ、その9割の中にも濃淡があり、実効的な取り組みが進んでいる企業もあれば、これからという企業もあります。

要請後のPBR・ROEの状況

定量的なデータとして、プライム市場でPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業は、44%です。3年前と比較すると6ポイント減少しています。同じくROE8%未満の企業は43%。こちらも3年前と比べると4%減となっています。

データから見ても、3年前と比較すると改善していると言えます。ただ、注意しなければならないのは、ROE8%やPBR1倍を超えていれば安心というわけではありません。企業の目線をより高めていく必要がありますし、機関投資家の方からも「目線をもっと高く持ってほしい」という指摘はあがっています。


●ハセン

東証改革で、株価を意識する経営を行う企業が増え、株価上昇につながっているということは、データからも見えてきていますが、グロース市場はやや出遅れているという指摘がありますね。


●金子

2025年、グロース市場において、上場後5年経過時に時価総額100億円を超えていなければ上場廃止というルールができました。これにより、企業も対応を迫られているので、徐々に改革の効果が現れてくるのではないかと期待しており、全体的に底上げが進んでくるのではないかと考えています。

●日本株投資をする上での悩み

●ハセン

では、ここで次のアンケート結果に行く前に、「日本株投資をする上での皆さまのお悩みを、出演者が解決」するコーナーです。

1つ目のお悩みです。 「利益確定・損切りをする時の基準は何ですか」というお悩みです。


●テスタ

人によって当然違います。長期なのか短期なのかによっても違いますし、例えば投資信託で積立投資しているような場合は、そもそも「損切り」という概念は必要ないのかもしれません。ただ、共通して言えるのは、「最初に想定したことから外れたら損切りする」ということだと思います。自分はこういう理由で買う、と最初に決めておく。そうでないと「どこで利益を確定したり、損切りしていいかわからない」ということになりかねません。何となく良さそう、誰かに聞いた、どこかで見た、というふわっとした理由で買ってしまうと、売りの基準がなくなります。買うときに「こういう理由で買う。だからそれが外れたら損切りする」というルールを明確に決めて取引することが大事です。

そうすることで、その判断が正しかったかどうかが判断でき、次につながります。ふわっとした理由で買って、ふわっとした理由で売ると、何も次につながらず、成長しません。

基準としては、「最初に決めた通りのことをする」「思惑が外れたら損切りする」。これが一番シンプルで良いと思います。


●ハセン

テスタさんは、ここまで上がったら売る、ここまで下がったら売るといった価格の基準を意識しますか。


●テスタ

それも買う時の理由によります。チャートを見て「これぐらいまで上がるだろう」と考える場合は、「このラインを割ったら危ないから損切りしよう」という価格で決めることが多いです。

一方で、「この商品が出たら株価が上がる」「今開発している薬が成功したら株価が上がる」といった材料で買う場合は、タイミングはその材料が出た時になります。なので、価格で決めることもあるし、タイミングで決めることもあります。


●ハセン

古賀さんはファンドマネージャーという立場ですが、売却の基準はどのように設けているのでしょうか。


●古賀

株を買って上がった後、その時点から「まだ上がるのかどうか」を常に判断しています。まだ上がるチャンスがあると思えば持ち続けたり買い増ししたりします。一方、「もう上がる余地が小さくなってきて、リスクの方が大きい」と思えばウェイトを落とすこともあります。私たちが運用しているのは、中長期の資産形成に向けたファンドではありますが、中長期投資だからといって、ずっと同じ銘柄を持ち続けているわけではありません。

利益確定・損切をするときの基準は何ですか?

ここに、運用を担当しているファンドの2025年6月末時点と2025年12月末時点のポートフォリオの上位10銘柄を並べています。かなり銘柄が入れ替わっているように見えると思います。ただ、6カ月前に持っていた銘柄をすべて売却しているわけではなく、株価が上がった銘柄でもウェイトを落とし、引き続き保有しているケースも多いです。

「いくら上がったら」「いくら下がったら」という単純な価格基準で売買しているわけではありません。

2025年6月末時点から株価動向や業績、会社の行動が変わっていく中で、2025年12月末には上記のようなポートフォリオに変わりました。あくまでも、一つ一つの銘柄をみて選んだ結果、ポートフォリオがこうなっている、という形です。


●ハセン

続いてのお悩みです。 「銘柄選びの秘訣と、買うタイミングについて教えてください」。これは皆さん知りたいですよね。


●エミン

実は買うタイミングは難しくありません。売るタイミングの方が難しい。

買い物をイメージしてみてください。テレビや車を買う時でも、自分の予算、必要な機能などを踏まえ下調べをしますよね。投資も似たプロセスです。

私の場合は、まず会社四季報を読んで銘柄を選びます。私は16年ほど四季報を読み続けていますが、何を見るかというと、まず増収増益かどうか、今期・来期の予想が増収増益かどうか、バランスシートがしっかりしているか(自己資本比率は50%以上が望ましいです)。株主構成や配当利回りなども確認します。

さらに、何か材料があると良いですね。コメント欄で「新しい事業を始めました」「経営者が変わりました」などが書かれていると、そこに付箋をつけていきます。

そこで直ぐに買うのではなく、一度付箋をつけて候補としてストックします。その上で会社のウェブサイトを見たり、店舗があるなら実際に行ったりして、さらに深掘りします。

そうして、一つの「シナリオ」を立てます。先ほどの「どこで利益確定・損切りするか」というのも、この最初に立てたシナリオで決まります。

簡単な例を挙げます。私が2018年に書いた本の中で、SONYという会社について書きました。

当時、SONYのネットワーク&エンターテインメントビジネスの売上が、Netflixと同じくらいありました。しかし、Netflixの時価総額が20兆円の頃、SONYの時価総額は4兆円ほどでした。それを見て、SONYはNetflixと同じくらいの売上をネットワーク&エンターテインメントで出しているのだから、少なくともNetflixと同じくらいの時価総額があってもおかしくない、と考えました。これが一つのストーリーです。

そのストーリーを立ててSONYを買いました。SONYは今、時価総額20兆円です。当初立てた「20兆円」というストーリーは達成されました。だから一度売りました。一つのストーリーは終わったので、一度リセットする。ストーリーは変更も追加もしません。

そこで一度利益を確定し、SONYという企業を再度評価します。その間にNetflixの株価はさらに上がりましたし、SONYは家庭用ゲーム機PS5を出して、PS6も出てくる。マイクロソフトがゲーム市場でやや苦戦しており、任天堂とSONYが独占的な立場になるかもしれない。加えて、SONYの持つカメラやセンサーの技術はAI時代でも再評価されています。

そうなると、「SONYは時価総額40兆円まで行く」という新しいストーリーを立てることができるかもしれません。そうしたらもう一度エントリーします。そして時価総額が40兆円になるまでキープする。

簡単な例でしたが、このように長期にわたるシナリオやストーリーを作っていきます。

例えば2019年に書いた本の中では、「日本の海運業は業界再編の時期に入っているから海運株は上がるだろう」「製鉄業界は再編が加速し、製鉄株は上がるだろう」というふうに、セクターごとのストーリーを立てました。

銘柄選びそのものはそれほど難しくない。最初のストーリーを作るのが難しいんです。


●テスタ

負けている人がやりがちなのは「マイナスになった時にストーリーを変えてしまう」ことです。

当初のストーリーは明らかに外れていても、掲示板やSNSで次の好材料を探して、ストーリーを変えてしまう。これはすごくやりがちです。損切りをしたくないから違うストーリーを引っ張ってきてしまうんですね。


●ハセン

続いては、「日経平均株価かTOPIX、どちらに連動する投資信託がいいのか。違いを含めて知りたい」というお悩みです。


●吉田

指数の違いを簡単に説明します。日経平均株価は「株価平均型」、TOPIXは「時価総額加重型」です。具体的には、日経平均株価は株価が高い銘柄、いわゆる値がさ株の影響を受けやすい指数です。構成銘柄は225社で、日本経済新聞社が選んでいます。一方でTOPIXは時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすいです。約1700社で構成されており、JPX総研が指数を算出しています。構成比で言うと、日経平均株価は上位5社で約35%、TOPIXは上位5社で約15%を占めます。「どちらがいいか」というお悩みですが、違いを理解したうえで両方を見ておくのが良いと思います。


●テスタ

僕はTOPIXを持っています。最近、日経平均株価は半導体など値がさ株の影響が非常に大きくなっていて、本当に市場全体を表しているのかという議論もあります。そういう時はTOPIXを見たり、日経平均株価とTOPIXをあわせ両方を見るのが大事だと思います。テレビでは日経平均株価が取り上げられることも多いですがTOPIXも見ておく必要があると思います。

Q3 「東証改革」は効果があったと思いますか?

●ハセン

吉田さん、皆さんがどう思っているのか、お立場から少しドキドキしますね。


●吉田

そうですね。「東証改革自体を知らない」「影響がよく分からない」という方も多いと思うので、その点も含めて結果が気になります。


●ハセン

では結果を見てみましょう。「はい」が62%、「わからない」が35%です。

Q3 「東証改革」は効果があったと思いますか?
Q3 「東証改革」は効果があったと思いますか?②

●ハセン

コメントとしても、「はい」と回答した方からは、「株主還元が強化された」「PBRが改善した」「IR活動・情報開示が積極的になった」という声がありました。一方で「いいえ」と回答した方からは、「副作用への懸念」「PBR1倍未満の銘柄がまだたくさんある」といった意見もあります。


●エミン

無理な株主還元というよりは事業投資をしてほしいですよね。


●テスタ

上場基準の変更があり、虚偽情報を発表したり、無理な株主還元を実施する企業が出てこないかが不安ですね。


●ハセン

吉田さん、東証改革によって、具体的に市場はどう変わってきていますか。

3市場の指数推移

●吉田

新市場区分の見直しが行われた2022年4月を起点に、プライム・スタンダード・グロースの3市場の指数を比較したグラフです。先ほど説明した東証要請を出したのが2023年4月の赤いラインで示したタイミングですが、そこを境にプライム・スタンダード市場のパフォーマンスが良くなっているのが分かると思います。 実は東証では、投資家から一定の評価を受けている上場企業の取り組みをまとめた「事例集」を公表しています。これが、残念ながら個人投資家の方々にほとんど知られていないんです。


●ハセン、テスタ

知りませんでした。


●エミン

僕は知っています。


●吉田

この事例集は、他社事例を知りたいという上場会社の声に応え、好事例になっている企業の取り組みをまとめたものです。

参考:要請後の株価推移(プライム市場)
参考:要請後の株価推移(スタンダード市場)

赤いラインが「事例集掲載企業」のリターンですが、他のグループよりパフォーマンスが良くなっています。投資家から「良い取り組みをしている」と評価されている企業は株価が上昇しています。


●ハセン

古賀さん、金子さんにも、この東証改革による影響・変化についてお聞きしたいです。


●古賀

企業と直接対話する中で、以前は「売上をどれだけ上げるか」「利益をどれだけ出すか」という話が中心でしたが、今は東証改革を受けて「資本効率や生産性などを考える」といった議論が増えています。


●金子

先ほどのグラフでも、プライム市場とスタンダード市場は大きく上昇していましたが、グロース市場はかなり苦戦しているのが分かると思います。東証改革や企業側の努力で、今後はグロース市場も真のグロース企業が評価されるような市場になっていってほしいと思っています。


●テスタ

東証がどこまで企業経営に踏み込んでいいかはすごく難しいところだと思うのですが、個人投資家目線では本当にありがたいと思います。


●エミン

東証から促されないと動かない企業が多くあったのは事実だと思います。今は変化の兆しがありますね。

●Q&A

●ハセン

ここからは質疑応答の時間に移ります。お申込み時にいただいた質問、そしてリアルタイムのコメントから、時間の許す限りお答えしていきたいと思います。

まず1問目です。「2026年の注目テーマを教えてください。」


●テスタ

僕が昨年(2025年)から話しているのは、スポーツ関連です。2026年はスポーツのビッグイベントが多いんですよね。冬季オリンピックがあり、その次にはWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)やサッカーワールドカップ、陸上のアジア大会などもあります。それらのイベントが盛り上がったら株価が上がる可能性があるかなと思います。


●エミン

セクターでは、来期にかけて業績の大きな回復が期待できるところですね。例えば化学セクターは今かなり割安とみています。その他には輸送用機器、自動車です。来期にかけて大きく業績が回復する見通しのところが多いので、そういったところは面白いと思います。

さらに、地政学的な動きも見逃せません。最近インドとEUがFTA(自由貿易協定)を結びましたのでインド関連にも注目しています。また、私は米国の中間選挙で共和党(トランプ大統領)は負けるとみています。その場合、これまで政策の逆風を受けてきた環境関連(風力やオルタナティブエネルギー)は面白いと思います。


●ハセン

次の質問です。

「金利上昇を伴う国家の財政懸念や人口動態という構造的なボトルネックが、日本の株式市場に与える影響について意見を伺いたいです。」


●古賀

日本にとって、金利がある世界に戻りつつあること、人口が減少していくことは、避けられない現実だと思います。その中で日本企業や社会がどう変わるのか、ここから未来の変化が生まれるのだと思います。日本の株式市場にポジティブな結果をもたらすような企業もここから出てくるでしょうし、見極めが大切になってくると思います。


●エミン

金利上昇に伴う財政懸念は確かにあります。通貨「円」の価値が目減りする可能性があるので、多くの皆さんが投資を考えなければいけないと思っています。

人口動態については、日本だけでなく世界的に出生率が低下しています。AIやロボティクスが進歩すれば、「人口が多いこと」が必ずしもメリットではなくなる可能性もあると思います。


●テスタ

日本の人口は減っていますが、世界の人口はまだ増えています。グローバルにビジネスを展開している企業など、どこで商売しているか考えるのが良いかもしれません。ただ、人口減少は長いスパンにおよぶことなので、あまり短期で考えすぎない方が良いことかとも思います。


●ハセン

次の質問です。「東証グロースなど新興株にいつ資金が向かうのか。」


●金子

例えば、半導体株など「少し行き過ぎではないか」と感じる局面が来れば、出遅れた株が注目される可能性も高まると思います。


●エミン

金利が上がると中小型株に不利だと言われがちですが、私は必ずしもそうは思いません。むしろ金利が低い方が、資金調達力を背景に大企業が、中小企業がやるべき市場に参入してくる可能性があると思います。

問題は金利水準より、企業が「上場がゴール」と考えているのではなく、「本当のグロース」を目指しているかです。IPOでオーナーが売り抜け大きな利益をあげた一方で、会社としての資金調達はごくわずか、といったケースさえあります。


●金子

グロース市場の指数を見るのではなく、新興株の中でも良い企業の株価が上がってくるはずなので、そのような企業に投資することが大事だと思います。そのような投資行動が徐々に他の銘柄にも波及していくと考えています。


●テスタ

グロース市場で成長した企業はプライム市場に移行してしまう。そうなるとグロース市場の指数は結局上がらないのではと感じてしまいます。


●金子

これからはTOPIXにスタンダード市場やグロース市場の銘柄も採用されるので、その問題も徐々に解決するかもしれません。東証の施策でもグロース市場の指数を盛り上げてほしいですよね。


●エミン

日本だけでなく米ラッセル2000もSP500等に比べて上がっていない。やはり流動性相場なので、規模の大きい銘柄が上がり易かったのでは。


●吉田

東証としてはグロース市場改革を実施しており、グロース市場のキャラクターを立たせたいと考えています。グロース市場=「プライム市場の登竜門」ではなく、グロース市場で成長していく文化を作りたいです。


●ハセン

次の質問です。

「10年後1ドル200円になる可能性は有るか。」


●エミン

日米で1ドル100円から150円へ水準訂正を行うという、逆プラザ合意が有ったと考える。今後200円程度まで達する可能性はあるのではないか。


●ハセン

次の質問です。

「超初心者です。どこからどのように勉強すればいいでしょうか。今はSNSやチャットGPTを使って情報収集しています。」


●テスタ

今は本当にいろいろな勉強の形があると思います。僕が投資を始めた頃は本くらいしかなかったですが、今はYouTubeなどがありますよね。大事なのは、継続することなので「どの媒体が自分にとってしんどくないか」です。例えば僕は本を読むのは苦手ですが、ブログやXなら読めたので、そこから情報収集をしたり、情報発信もそこを中心に行いました。


●ハセン

次の質問です。

「日本株が個人投資家にもっと魅力的なものになるために、今何が足りないとお考えでしょうか。」


●吉田

「もっと伸ばしていきたい」と考えているのは、先ほども話題に出た上場企業のIR活動です。

東証は、昨年の夏に上場会社に「IR体制の整備義務化」を実施しました。人員や予算も限られている中で工夫を凝らしながらIRに取り組んでいる企業もあり、その好事例をまとめた「事例集」も作っています。


●テスタ

今はSNSもありますし、しっかり発信してほしいですよね。

●登壇者からのメッセージ

●ハセン

ここまで「日本株は上がりすぎなのか」というテーマで徹底議論してきましたが、最後にお一人ずつ、今日の感想をいただければと思います。


●金子

私はグロース株にフォーカスしてお話させていただきましたが、日本株は身近で面白いです。これからも日本株への投資を続けていただけたら嬉しいです。


●古賀

今日の話にもあったように、日本株投資は「やってみないとわからないこと」がたくさんあります。ストーリーを立てて投資し、その結果を振り返って次につなげる。その繰り返しで経験値が増えていきます。

ぜひ今日をきっかけに、次の一歩を踏み出していただければと思います。


●エミン

本日のテーマの「日本株は上がりすぎか」に関連して言うと、一昔前の日本株は「100円ショップ」状態でした。それが今、ようやく適正なものもあれば、まだ安いものもある「コンビニ」くらいになり、将来は「高級デパート」のようになっていくと思います。日本株は今後世界中の投資家から人気になると思うので、皆さんには今ぜひ投資しておいてほしいです。


●テスタ

昔は、何か決め事をする時に個人投資家の意見が届くことはほとんどありませんでした。今は、こうして個人投資家の代表として意見を伝える場があることはすごくありがたいことだと思っています。ありがとうございました。


●吉田

私は十数年、個人投資家の方々に向けた日本株にかかわる情報発信をしてきましたが、正直、近年は、海外株の人気に押されていると感じることもありました。

ただ、本日のセミナーを通じて、日本株の良さや魅力を改めて感じていただけたのではないかと思います。本日はありがとうございました。


●ハセン

本日は皆さま、誠にありがとうございました。これからも日本株投資を一緒に楽しんでいきましょう。


※出演者の見解を含んでいますが、これはセミナー開催時点における出演者個人の見解であり、三井住友DSアセットマネジメントの見解ではありません。また、今後の市場環境や将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

※個別銘柄に言及していますが、例示を目的とするものであり、当該銘柄を推奨するものではありません。