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カナダ -追加利上げ、利上げペース加速の可能性も-

2018/10/25

政策金利を0.25%引き上げ

10月24日、カナダ中央銀行は政策金利を1.50%から1.75%に0.25%引き上げることを決定しました。 利上げは2017年に利上げ局面に入ってから5回目、今年7月以来3カ月ぶりとなります。

今回の声明文では、今後の利上げに関して前回述べられていた「段階的なアプローチを取る」との文言が削除され、「インフレ目標を達成するために政策金利を中立スタンスまで引き上げる必要がある」と述べられています。カナダ中銀の想定する中立金利(2.5%~3.5%)まで利上げを継続する姿勢が示されており、利上げのペースが現在の市場予想を上回る可能性も示唆されています。

カナダドルの動向

カナダドルは、9月末のNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉で米国とカナダが大筋合意すると、目先の材料が相応に織り込まれていたことなどから対米ドルで一旦弱含んで推移していました。

今回の利上げでは、声明文が「タカ派的」なトーンとなり今後の金融政策に対する中銀の積極姿勢が確認されたことや、12月の利上げへの市場の期待が高まったことなどから、カナダドルは対米ドルで上昇しました。一方、足許の円高傾向から対円では下落しました。

10月24日の海外終値は、1米ドル=1.3057カナダドル、1カナダドル=85.978円となっています。

今後の見通し 追加利上げ期待続き、カナダドルの底堅い推移を予想

懸案だったNAFTA再交渉は、米国・メキシコ・カナダの3カ国の枠組みを保ち新協定として11月末までに署名が行われる予定です。今回の合意の影響など先行きに多少の不透明感は残るものの、通商問題が一段落したことからカナダドルは安定的に推移すると予想されます。

貿易摩擦問題が世界経済に及ぼす影響への懸念はありますが、カナダ経済は、堅調な個人消費や外需、国内の設備投資などに支えられ、今後も堅調に推移すると予想されており、カナダ中央銀行に対する追加利上げへの期待が続くと見られます。

これらの背景からカナダドルは今後も底堅く推移すると予想されます。

カナダ 政策金利の推移

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