ホームマーケット日々のマーケットレポート足元の日本株市場の動向  市場安定化には、中国の景気指標の改善が必要【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

足元の日本株市場の動向  市場安定化には、中国の景気指標の改善が必要【デイリー】

2015年8月21日

【ポイント1】7月上旬以来の2万円割れ

世界景気の減速懸念強まる
■21日の日経平均株価は大幅に下落し、前日比▲597.69円の19,435.83円と、7月上旬の中国株式市場混乱時以来の安値となりました。下落は4日連続です。この日発表された中国の製造業景況感指数が予想外に悪化し、景気減速懸念が強まりました。前日発表された米国の景気先行指数も予想に反し低下し、米国の景気の先行きにも不安が広がりました。これらにより、世界的な景気減速懸念が強まり、株価の下落要因となりました。

■米ドル円レートは、米国の景気先行指数の低下などから早期利上げ観測が後退、米ドル安円高の動きが強まり、日本時間の16時時点で122.94円となっています。

【ポイント2】新興国通貨の不透明感強まる

地政学リスクもリスク回避要因に
■中国の人民元切り下げに続き、ベトナム、カザフスタンが実質的な通貨切り下げに動きました。新興国通貨をめぐる不透明感の高まりを背景に、アジアをはじめ周辺の株式市場もリスク回避の動きから軟調な展開となっています。

■さらに20日、北朝鮮と韓国の軍事境界線で緊張が高まり、地政学リスクが高まりつつあります。こうしたことも、日本を含めアジアの株式市場や通貨に対し、リスク回避的な動きを強める要因として影響しています。

【今後の展開】中国の景気指標が落ち着けば、日本株は企業収益拡大に沿った展開へ

■日本企業の業績は、底堅い内需や円安・原油安などを背景に堅調さが持続するという見方に変化はありません。世界的な景気の不透明感が高まり、企業業績見通しに影響を及ぼす懸念が足元の不安材料です。この不安感を解消する中国の景気指標の改善などが見られれば市場は落ち着きを取り戻すと見られます。

■中国では景気対策と金融緩和により景気のてこ入れが図られており、特に住宅市場や公共投資の改善が待たれます。これらの改善が見られるまで、市場は不安定な状況が続く可能性があります。中長期的には、株価は企業収益の拡大に沿った展開に戻るとの見方に変わりはありませんが当面の不安定な動きには注意が必要です。

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