ホームマーケット日々のマーケットレポート原油価格の動向 足元は軟調だが下値は限定的と見られる/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

原油価格の動向 足元は軟調だが下値は限定的と見られる 【デイリー】

2016年7月26日

【ポイント1】原油は7月に入り軟調な推移

4月以来の安値水準に下落

■原油価格(WTI、スポット)は、今年2月に1バレルあたり26ドル台の安値を付けた後、上昇基調に転じ、6月には50ドル台を回復するなど堅調に推移してきました。

■しかし、7月に入ってからやや軟調な展開となり、月初の1バレルあたり48.99ドルから、25日には42.38ドルへと下落し、4月下旬の水準で取引されています。

【ポイント2】ドル高とリグカウント増が背景

リグカウントは4週連続増加

■原油在庫が潤沢な中、6月下旬の英国のEU離脱選択以降、ドル安傾向が反転基調にあることと、これまで大幅に減少してきた北米のリグカウント(稼働中の石油掘削装置数)が、4週連続で増加に転じていることなどが背景と思われます。

■北米のリグカウントに関しては、増加傾向に転じたといってもピーク時の2,000基前後から5月末に404基に減少した後、462基まで戻っただけです。現行水準の油価では、現在の北米の原油生産量の減少傾向に歯止めがかかるとは思われません。

【今後の展開】需給バランスは回復に向かっており下値は限定的か

■IEA(国際エネルギー機関)の直近のレポートによれば、世界の原油需要は伸び率は従来より鈍化するものの、16年、17年ともに1%強増加する見通しです。一方、生産はサウジアラビアなどを筆頭にOPEC諸国の増産があるものの、非OPEC諸国の減産を予想しています。

■非OPEC諸国の減産は、米国のシェールオイルなど高コストの油田の減産が進行するためです。この結果、これまで積み上がる一方だった原油及び石油製品の在庫は、早ければ7-9月期にも減少に転じる可能性があります。このため、原油価格の下値は限定的ではないかと思われます。

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