ホームマーケット日々のマーケットレポートユーロ圏のGDP成長率(4-6月期)  予想外のゼロ成長、政策期待で株高・金利低下【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ユーロ圏のGDP成長率(4-6月期)  予想外のゼロ成長、政策期待で株高・金利低下【デイリー】

2014年8月15日

【ポイント1】予想外のゼロ成長

独、仏、伊、主要国が総じて不振
■EU統計局が14日に発表したユーロ圏の4-6月期GDP成長率は、前期比+0.0%の横ばい、前期比年率では+0.2%の小幅なプラスとなりました。

■ドイツが前期比▲0.2%と6四半期ぶりのマイナス(EU統計局ベース)となったほか、イタリアが同▲0.2%と2四半期連続のマイナスとなりました。フランスも2四半期連続のゼロ成長となりました。

■ドイツは1-3月期が同+0.7%と高かった反動という側面があります。ただし、対ロシア関係の緊張もあり、景況感や生産は鈍化してきました。

■一方、スペインが同+0.6%、オランダが同+0.5%など、中堅国の成長が下支え要因でした。

【ポイント2】政策期待で株高・金利低下

追加緩和策への期待が高まる
■ECB総裁は、中期的な物価見通しに変化が生じれば、非伝統的な金融緩和策を追加することに関し、理事会は合意済みと言及しています。

■足元の景気と物価の下振れに際し、市場では追加緩和策への期待が高まり、株価が上昇、金利は低下しました。

【今後の展開】9月のECBスタッフ見通しは下方修正され、資産購入に一段の現実味も

■ECBは9月発表の景気・物価見通しを、小幅に下方修正するものと思われます。

■ECBは9月から、新たな資金供給策(TLTRO)を実施する予定です。ECBはTLTROの効果を見極めつつ、次の緩和策の検討を進めそうです。

■ECBはまず資産担保証券(ABS)などの民間資産の購入を視野に量的緩和を検討しそうです。今後は、ECB総裁から検討内容について、何らかの言及があるか、注目されます。

■株式市場では、低金利環境の継続に加え、米中景気の持ち直しなどから企業業績が上向き、株価は底堅く推移しそうです。ただし、地政学リスクの景気・企業業績への影響に注意が必要です。

■債券市場では、追加緩和期待や低金利が長引くとの観測から、債券価格は底堅く推移しそうです。

■為替市場では、ECBの追加緩和への期待が続く一方、日銀にも根強い追加緩和観測があることなどから、ユーロ円は一進一退となりそうです。

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