ホームマーケット日々のマーケットレポート今年のマーケットを振り返る4 為替市場 ドル円は32年ぶりの円安、10月以降は円高へ修正

今年のマーケットを振り返る4 為替市場

ドル円は32年ぶりの円安、10月以降は円高へ修正

2022年12月29日

【ポイント1】ドル円は一時30%超えの円安

■2022年の為替市場は主要通貨に対して大幅な円安となりました。米ドル/円レートは2021年末の115.08円から、10月20日には150.15円と30.5%円安が進みました。150円を超えたのは1990年以来32年ぶりです。対ユーロ、豪ドルでも10%台の円安となりました。


■急激な円安・米ドル高は、2月のロシアによるウクライナ侵攻とその後の原油などのエネルギー価格や穀物価格の高騰、3月に利上げへと舵を切った米連邦準備制度理事会(FRB)による以後の利上げ加速による日米金利差の拡大などが背景です。

【ポイント2】主要新興国も大幅円安

■主要新興国ではメキシコペソ、ブラジルレアルが堅調でした。昨年末からピーク時までの変化率はメキシコペソが34.6%、ブラジルレアルが40.3%と大幅な円安・現地通貨高でした。メキシコは堅調な景気や高止まりするインフレを踏まえ大幅な利上げが継続しました。ブラジルは9月までの利上げで高い金利水準となり円安が進みました。

【今後の展開】23年は円高が進みやすい環境か

■足元では、それまでの円安基調に大きな変化が生まれています。主要通貨は円安のピーク時より円高が進んでいます。米国の物価上昇率がピークを打ったことや日銀が長短金利操作の運用を一部見直したことから日米金利差の縮小が意識され始めました。


■続く2023年は米国の金融政策がカギを握りますが、日銀の金融政策も重要です。米国を中心に世界の金融政策は利上げ終了が見え始める一方、日銀の長きにわたる異次元緩和が修正を迎える転換点に近付きつつあると思われるためです。米国を中心とした主要国・地域と日銀の想定される金融政策の変化を踏まえると、2023年は円高・現地通貨安が進みやすい環境になる可能性があります。

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