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好調な米国の「投資適格債」市場(米国) 【キーワード】

2016年8月1日

<今日のキーワード>
「投資適格債」とは、発行体の債務不履行(デフォルト)リスクが低く、信用力の高い債券のことです。格付機関は債券の元利金の支払いの確実性を評価していますが、ムーディーズ社の場合はBaa格以上、スタンダード・アンド・プアーズ社の場合はBBB格以上に格付した債券のことを「投資適格債」といいます。一方、それよりも低い格付のものを投機的格付債、あるいはハイイールド債と呼びます。

【ポイント1】増加する社債発行

「投資適格債」の発行額は過去最高を更新中

■米証券業金融市場協会(SIFMA)の統計によれば、2015年の社債発行額は1兆4,937億ドル(約157兆円、1ドル=105円で換算)となり、4年連続で史上最高を記録しました(転換社債を除く)。このうち「投資適格債」の発行額は過去最高の1兆2,330億ドル、ハイイールド債は2,607億ドルでした。

■2016年1~6月累計の発行額は全体で8,319億ドルと前年同期の8,860億ドルを僅かに下回っていますが、「投資適格債」は同7,042億ドルを上回る7,116億ドルとなっています。

【ポイント2】良好なパフォーマンス

ハイイールド債も持ち直し

■社債の発行側の要因としては、景気拡大の持続に伴い企業の資金需要が増大していることが指摘できます。一方、需要側の要因は、世界的に金融緩和が進み、国債金利が低下したため、少しでも利回りの高いものに資金が流入していることが挙げられます。参考までに直近の利回りを見ると、「投資適格債」が約3.3%、ハイイールド債が約6.6%、米10年国債が約1.6%となっています。

■この資金流入を受け、米国「投資適格債」のトータルリターン指数は、今年に入り堅調な推移となっています。より利回りの高いハイイールド債も持ち直してきました。

【今後の展開】「投資適格債」市場の好調は継続しよう

■低水準の国債利回りと景気・企業収益の拡大が「投資適格債」を含む社債市場の追い風
米国の経済は順調に成長し、企業収益は拡大する見込みです。一方、物価が落ち着いていることから、利上げのペースは緩やかになる見通しであり、長期金利は低位で安定的に推移すると予想されます。これらを踏まえると、社債市場へ引き続き資金が流入する見込みです。

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