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米国の雇用統計(2014年9月)(米国)【キーワード】

2014年10月7日

<今日のキーワード>
米国の雇用統計は毎月第一金曜日に前月分が発表され、失業率や非農業部門雇用者数が注目されます。非農業部門雇用者数は、天候などにより振れの大きい農業従事者や軍人などを含まず、雇用への景気変動の影響をより表すと考えられます。FRB(連邦準備制度理事会)は雇用の最大化と物価の安定を2大使命としており、雇用統計は最も注目される経済指標の一つです。

【ポイント1】非農業部門雇用者数は市場予想を上回る前月比24.8万人の増加

8月分も上方修正
■3日に発表された米国の9月の雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月比24.8万人の増加となりました。市場予想(ブルームバーグ集計)では同21.5万人の増加と見込まれていたことから、これを上回る良好な結果となりました。また、8月分は同14.2万人から同18.0万人、7月分は同21.2万人から24.3万人に、合計6.9万人上方修正されました。2014年2月以降、6カ月連続で同20万人超の増加となっていたところからの落ち込みは、一時的なものとなりました。

【ポイント2】失業率は約6年ぶりに6%割れへ改善

雇用の「質」の改善は一服
■米国の9月の失業率は5.9%と、前月の6.1%から改善しました。失業率が6%を下回るのは2008年7月以来のことで、リーマン・ショック(2008年9月)以前の水準を回復しました。FRBは2014年6月時点の経済見通しで、2014年の失業率を6.0%~6.1%と見ており、これも下回る結果となりました。

■一方、失業者に占める長期(27週以上)失業者の割合が増加したほか、時間当たり賃金の上昇率が前月比で▲0.04%(前年同月比+2.0%)と1年2カ月振りにマイナスとなるなど、雇用の「質」の改善は一服しました。

【今後の展開】失業率の低下や雇用の「質」改善に伴い、来年後半に利上げ見込み

■雇用者数の増勢と失業率の低下が見込まれる
非農業部門の雇用者数は、失業率を安定的に低下させるのに必要と見られる月20万人前後のペースで増加しています。10月1日と3日に発表された9月のISM景況感指数は、8月からは若干低下したものの高水準が維持されており、今後も景気拡大が期待されるなか、足元の雇用者数の増勢と失業率の低下基調が続くと期待されます。

■次回FOMCでQE終了後、利上げは来年後半か
今月28日、29日の次回FOMCでは、新たにFRBの経済見通しが発表される予定であり、失業率の見通しなどがどのように変更されるのかに注目です。FRBは次回FOMCでQEを終了させる見込みですが、利上げについては雇用の「質」の改善や、物価上昇が十分なものになると見込まれる来年後半以降になると思われます。

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