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「モンスーン国会」GST法に注目(インド)

2016年7月6日

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インドでは、7月18日から8月12日まで国会の会期にあたります。例年、夏季に開催されるこの国会は、その時期の天候にちなみ「モンスーン国会」と呼ばれています。今回の「モンスーン国会」では、先の国会でモディノミクスによる構造改革の目玉とされる破産法が成立した流れを受けて、財・サービス税(GST)導入法案の上院通過(下院は通過済み)が再び期待されています。

【ポイント1】重要法案の破産法が成立

モディノミクスによる構造改革が前進

■先の国会(2016年4月25日~5月13日)で、モディ政権の主要な構造改革である破産法は上院を通過し、大統領署名により成立しました。重要法案成立により、モディ政権の国内外の評価が再び高まり、構造改革に弾みが付きそうです。

■ちなみに、2010年代に破産処理を効率化する法律を制定したフィリピンでは、制定後、銀行貸出の伸び率加速と不良債権比率低下が見られました。インドでもフィリピン同様、破産法成立により、銀行健全化と貸出が増加し、更なる経済成長が期待されます。

【ポイント2】再び高まるモディ政権への期待

直近の州議会選挙で与党が躍進

■与党BJPは、上院の議席数を決定する州議会の改選選挙で、2015年2月のデリーと同年11月のビハール州で、地域政党に敗れ、国会運営への影響が懸念されました。

■しかしながら、同党は、今年4、5月の5つの州議会選挙で、野党国民会議派からアッサム州で初めて議席の過半数を獲得するなど、改めてモディ政権への期待の高まりを印象付けました。選挙の結果、BJP連合の上院での議席数は74議席に増え、71議席に減少した国民会議派連合を逆転しました(全議席数:245)。

【今後の展開】「モンスーン国会」でのGST法成立に期待が高まる

高まる「モンスーン国会」でのGST法成立期待

モディ政権は、期待の高まりを受け、6月14日に上院通過後に必要な州議会の承認(過半数)を睨み全州(29州)の財務大臣を召集し、GST法案を議論しました。ジャイトリー財務大臣によるとタミルナド州を除き全州が同意したとのことです。「モンスーン国会」の上院でのGST法案の可決、成立の期待が高まっています(下院は可決済)。

GST法成立によりインド経済加速へ

GSTの導入法案は、これまで州毎に設定されていた物品の販売などにかかる間接税を、全国的に統一することを目的としています。この法案が成立すると、企業の納税の手間が大幅に削減され、事務コストの低下や外資系企業の進出促進につながると期待され、現地情報ではGDP成長率を約1%引き上げるとも言われています。

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