2020年4月-2021年3月のエンゲージメント活動実績

三井住友DSアセットマネジメント(以下「当社」)では、ファンドマネージャーおよびアナリストが、①投資先企業等とそのエコシステムのサステナビリティ増進、②投資先企業等の価値向上もしくは毀損回避(ひいてはお客さま・最終受益者の皆さまに良質な投資リターンをご提供すること)等を目的に、投資先企業等と建設的な対話を行っています。

2020年4月-2021年3月(12ヵ月間)実績

(エンゲージメントの定義)

当社は、「経営陣との中長期投資のための建設的な目的を持った対話」もしくは「中長期経営課題を中核論点とした対話」をエンゲージメント、またエンゲージメントのうち「企業と当社の1対1の対話」を単独エンゲージメントと定義しています。

(エンゲージメント件数)

当社が実施した単独エンゲージメントは2,242件となりました。
企業側の対話相手先が執行役員以上となった対話が全体の75%以上となりました。
対話テーマ別の内訳は以下のとおりです。なお、一つの対話に複数テーマが設定されている場合があり、テーマ別の対話件数小計と合計は一致しないことにご注意ください。

  1. 議決権・G(ガバナンス)︓1,068件
  2. 経営戦略︓1,594件
  3. E(環境)︓145件
  4. S(社会)︓150件
  5. IR・情報開示︓916件
  6. 財務戦略︓16件
  7. その他︓16件

対話例

当社は、建設的対話の進捗により、①投資先等のサステナビリティに関する一般的な対話、②具体的な投資先等の行動について提言を行う深い対話の2段階で管理しています。
一般的な対話、深い対話のそれぞれにおいて、ファンドマネージャーおよびアナリストは以下のような論点で対話を行っています。

事業戦略…脱炭素経営

A社

脱炭素についての対話を行い、会社側からは、原油など資源価格等に収益・ROEが左右されるが諦観している訳ではなく、カーボンリサイクルや水素事業等脱炭素経営の推進強化の考え方が示されました。当社からは、脱炭素への貢献は避けられないと腹を括って、技術開発・支援・アライアンスを積極的に進める姿勢を見せ、炭素ビジネス以外のアピールをもっと行うことで、化石燃料等従来のイメージを低減させるべきとの意見表明を行いました。

経営力…統合報告書

B社

統合報告書の内容について率直な意見交換を行い、当社からは、①足下や短期視点についてはクリアだが長期視点が霞み将来像が漠然としすぎ、②社会的・環境的課題への貢献方針が不足しており2050年ネットゼロの日本政府の方針に則った方針表明がない、③スピード感と業界を超えた視点がもっと必要ではないか、等に関する意見表明を行いました。会社側も長期視点が大きな課題だと認識していた模様で、今後への示唆に富む意見だったとのポジティブな反応を得ました。

財務戦略…政策保有株式、資本効率

C社

政策保有株式について対話を行い、会社側から、以前は株式を持っていないとビジネスに支障を生じかねない実態があったが現在は株式の有無が影響する状況に変化が生じており粛々と縮減する考え方であり、また当面は出来る限り今の配当を維持する努力をしながら自社株買い等の株主還元強化を考えていく等資本効率に関する考え方が示され、ポジティブに受け止めました。当社からは、ROE・配当に加え、投資家は中長期の企業価値向上も見ていることを認識して欲しいと、重ねて意見表明を行いました。

環境…温室効果ガス(GHG)排出の情報開示

D社

温室効果ガス(GHG)排出について対話を行い、全社レベルでのCO2等GHG排出量が開示されていないことに、情報開示についての意見表明を行いました。会社側からは、近年のM&Aや新設備稼働が相次いだこともあり、GHG排出量は工場や事業所等の小さな単位では把握できているものの、開示できるような全体感構築に至っていないとの回答でしたが、小さな単位では把握できており実務レベルで削減目標の運用が可能との示唆があり、投資家として全体感構築と情報開示強化を求めることを重ねて意見表明しました。

社会的責任…人権、女性活躍・多様性等

E社

人権や女性活躍等社会的責任に関する対話を行い、当社からは、人権や従業員を取りこぼさない仕組み(機会公平な研修制度等)等の内容について、一段の情報開示が資本市場での見方にポジティブとの意見表明を行いました。会社側からは、英国現代奴隷法への取組み等の記載はイメージできていたが、従業員関連等内部の取組みの開示は思い至っていなかったので参考にしたいとの回答を得ました。また、女性活躍・多様性についても役員・経営トップレベルのコミットであり、イノベーション・生産性向上・働き方改革等のためには、多様性、中でも女性が重要との認識が会社側から示され、ポジティブに受け止めました。